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#05 公衆栄養学としての地域連携

健康科学部 健康栄養学科 准教授
池上 益世
研究分野:公衆栄養学

健康科学部 健康栄養学科の池上 益世 准教授は、行政栄養士としての経験をもとに地域住民の健康増進を図る行政の取り組みをサポートし、得られたノウハウやフィードバックを、研究、教育両面に生かしています。

 

研究のテーマを教えてください。

テーマは「新しい生活様式に即した情報提供(非対面の食育の推進)を通した官学連携の推進」です。

内容はどのようなものでしょうか?

池田市や高槻市など近隣の自治体と連携し、子育て世代を対象とした食のお役立ち動画を作成しています。これまでに「離乳食レシピ」や「2 歳児の食事」といったテーマに沿って動画を作成してきました。作成した動画は、大学・自治体双方のサイトに掲載し、SNS 等を通して対象者に周知しています。視聴者のアンケート結果などからさらなるニーズを探っており、ゆくゆくは子育て世代に限らず、在宅の高齢者等を対象とした情報発信も手がけていければと考えています。今年度は一昨年度に連携した池田市と再度手を組み、妊婦さんとその家族に向け、赤ちゃんと一緒の生活を楽しみにしてもらえるような情報をお届けできればと考えています。

このテーマで研究を始められたきっかけや経緯を教えてください。

以前は当たり前のように対面で行われていた、地域の「離乳食教室」や「乳幼児栄養相談」ですが、コロナ禍をきっかけに実施が難しくなり、専門家の助言や指導を求める人たちからその機会が失われていました。私たちが最初に関わった池田市では、離乳食講習会に参加できる人数が少なくなっていたため、お困りの方がいらっやるのではないかと考えました。大学としてお手伝いできるのではないかと、母子保健を担当する部署に提案したところ、ぜひ一緒に取り組みを進めたいと希望していただき、池田市の離乳食講習会の内容を網羅した動画を作成することをめざして学生にも声をかけ、研究に取り組みました。

管理栄養士という職業全般に言えることですが、行政栄養士は組織に配置される人数が少なく、同じ専門的視点で話ができる仲間はごくわずかです。私は教員になる前に 30 年間、行政栄養士として保健センターや保健所で働いてきましたが、色々なことを一人でこなさなければならず、新しいことを始めたくてもそのための技術の習得や、他職種の職員を動かすためのエビデンスの獲得といったものに回す余力がありませんでした。専門的な理論や技術が必要な時に、気軽に相談できる人が身近にいてくれたら、もっと色々なことができたのではないかと思った経験が、今回の協働に繋がっています。私の専門は公衆栄養ですが、公衆栄養プログラムを立てていくにあたり、データの分析や評価における専門的なサポートがあれば、より強固なエビデンスに基づいた栄養行政の推進が図れるのではないかと思います。地域住民一人ひとりの利益に繋がる事業を専門的な見地から支え、協働することによって現場の様子や課題を知る。そこに、大学の地域連携の意義や使命があるのではと考えています。

スポーツ ギャンブル の学生は研究活動に何らかの形で関わっていますか?

学生は卒業研究の取り組みとして、動画の作成に全面的に関わってきました。池田市の離乳食レシピ動画は、対面で参加するのと同等の知識を得られ、体感できる教材を作ることを目的としていました。学生らは全てのレシピを正確に再現できるよう、市の管理栄養士から切り方・炊き方・潰し方の指導を受け、大学に戻って実習室で再度調理をしてその様子を一つひとつ録画しました。
実際の離乳食教室では、時間の関係から下処理の過程が省かれることもありますが、動画は編集して全てを見せられるため、より多くの情報を発信できます。詳しい作り方が見られて良かったという感想や、対面の教室が再開した後も予習や復習のツールとして役立てているといった声が聞かれるなど、対面、非対面、それぞれにニーズがあることがアンケート結果などから明らかになりました。学生らにとっても、こうしたフィードバックは大変貴重で励みになります。また、教材づくりを通して行政管理栄養士の市民に対する思いやホスピタリティを直接学ぶことができたことも、大きな収穫でした。

昨年実施した高槻市との連携では、子育て世帯の食事における育児負担を軽減することを目的とした動画「心と体を育む食事 いやいや 2 歳児との楽しい食事タイム」を制作しました。今までない分野の動画ということで、行政と大学の双方がイメージを擦り合わせながら形あるものを作り上げていくという初めての試みでした。行政の担当者が 2 歳児の育児負担の事例を挙げ、支える側としての率直な思いや要望を学生に直接伝えます。それを学生が目に見える形に落とし込んで返すというキャッチボールを何度も繰り返しました。

職種も、年齢も、経験値も異なる者同士の意見交換を通して、様々な考え方、感じ方があることを学びました。多種多様な家庭環境に色々な条件が重なり、育児負担の形も千差万別な中、公の機関が世に出すものとして多様な価値観を踏まえていることは妥協のできない部分でしたので、その点に関しては学生としてもかなりシビアなやりとりに参加できたのではと思います。双方が自分たちのものとして、責任と自負を持って一つのものを作る中で様々な議論が生まれ、多角的な視点が得られました。また、管理栄養士が少数職種として組織の中でどのように多職種と連携して業務を進めているかについて、学生が実状を窺い知る良い機会となりました。

研究を通して、今どのような課題や成果が見えていますか?

アフターコロナと言われる昨今、様々な取り組みがリモートから対面へと戻りつつあります。私たちが動画制作を手がけた離乳食教室も、対面での実施が再開しましたが、それに伴い動画を作る余裕がなくなってきています。対面でしか得られない情報もありますが、非対面という手段にも、時間の融通が利く、移動負担が軽減されるなどのメリットが多数あります。行政の現場では、リモートへの切り替えの必要に迫られたこの数年で、デジタルツールを活用した情報発信のスキルが格段に向上しました。ここでリモートをやめてしまうと、築いてきたノウハウが受け継がれません。コロナ禍の副産物とも言える新たな選択肢を、一過性のもので終わらせないことが課題の一つだと考えています。また、インターネット上には様々な情報が氾濫しており、誤った内容、権利やプライバシーに配慮できていないものも多く見受けられます。そうした中で、大学、行政など公の機関が、きっちりと正しいものを発信していくのはとても大切なことだと思います。大学が、行政が発信しているので安心して取得できる情報というものをリモートの世界にも確立していく必要があると考えています。

成果としては、学生の作品としての動画という、強力なコミュニケーションツールが残されたことが挙げられます。大学が取り組む地域連携活動の周知、可能性の提示という点でも、次に向けた土台作りができました。これを機に、大学が持っている力を地域の健康づくりにもっと幅広く生かしてもらえるようになればと思います。人の動きや意思決定のプロセスが異なる大学と行政とでは、組織間の連携が取りにくく、コラボ事業は手間がかかると捉えられがちな側面もありますが、私たちが取り組んだプロジェクトはいずれも継続的な実施を見越したパートナーシップに繋がりつつあります。そうした関係性を構築できたことも大きな成果でした。今後は学会発表などを通して、ターゲットをさらに広げていきたいと思っています。

今後の展望や研究の最終目標について教えてください。

必要な知識を、必要とする人が、必要な時に自由に得られる情報発信の場を、管理栄養士主体で構築するサポートを今後も続けていきます。インターネット上に情報が氾濫する世の中では、目立つものや変わったものが注目を集めやすく、正確な情報に迷わず辿り着くことが容易ではありません。私たちは、ごく普通の正しい情報に、手軽に楽しくアクセスできるプラットフォームの確立を見据え、大阪スポーツ 賭博 の発信する情報が、正確でためになるものだということの周知、また発信ルートの開拓に取り組んで行く必要があります。その上で、正しい情報発信をコツコツと積み上げ、信頼できる情報源として地域をリードして行ければと思います。それが、地域における大学の存在意義の醸成にも繋がっていくと考えています。

高校生、学生、地域の方等へのメッセージをお願いします。

高校生の皆さんへ

食べることは、人間が生きていく上で最も基本的なものです。管理栄養士は、毎日の食事をいかに美味しく、楽しく、健康的に積み重ねていくかということを、一緒に考えたり提案したりしながら、人の幸せに結びつける仕事です。色々なルートで人に対して働きかけのできるやりがいのある管理栄養士という職業を、将来の選択肢の一つとして知って頂きたいと思います。

学生の皆さんへ

今勉強していることが自分の将来、ひいては人の幸せにどう繋がっているのかを在学中に感じ、管理栄養士になりたいという思いを強めて欲しいです。将来は、人を相手にする管理栄養士の仕事の素晴らしさを知り、体感することで幸せを感じてください。

地域の方へ

大学は、身近にある知識と技術の集合体です。ぜひ色々な形で活用してください。呼ばれれば講義もしますし、教材開発等のお手伝いもできます。行政の方々には、地域と大学を繋げる橋渡しとしての役割も期待しています。地域の健康を追求するために、大学を大いに利用してください。

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